資金繰りで大切な要素は「売上」「粗利」「人件費」「その他経費」の4項目です。
重要な内容ですのでシリーズ化し記事も4つに分けました。
ここでは「粗利」が不振な時の原因の探し方、対策の立て方、結果の捉え方をパーツに分けて解説します。
飲食店に関わって約30年、たくさんの失敗と苦労と感動を肌で感じてきたYUKIOです。
あなたには私の失敗と苦労は避けてもらえるよう、成功や感動はぜひ知ってもらいたく発信しています。
この記事では
●資金繰りを楽にする「粗利」の改善方法が知りたい
●粗利の不振な原因の見つけ方を知りたい
●原因を見つけて対策の立て方を知りたい
そんな悩みに答えていきますね。
この記事には私が実際に実行した経験談も記載しました。必見です!!
【経験談】これを知っている経営者は粗利確保できます
以下の記事では「資金繰りを楽にするシリーズ」として記事を「売上編」「粗利編」「人件費編」「その他経費編」の4つに分け資金繰りが楽になる秘訣を詳しく解説しています。この記事を含めて4つ全て読んで資金繰りを楽にしましょう。
粗利が改善されれば資金繰りも楽になるのにな
売上の約70%を占める重要な項目ですからね
改善すればきっと資金繰りが楽になる未来が待っています
以下の記事では私が実際にファクタリングを利用した「体験談」をもとに、おすすめの5社をランキング形式で紹介しています。
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利益を出すため、資金繰りを楽にするために重要な「粗利益」についてYouTubeでも詳しく解説しています。この記事と合わせて見て理解を深めてくださいね。
【経営者必見】資金繰りを楽にする「粗利益」の改善方法3選
※当サイトの一部の記事にはプロモーションを含みますが、収益は更なる良い情報発信に活用させて頂きます。
飲食店の棚卸とは
飲食店の棚卸を下の店舗の実績数値を元に解説します。
棚卸する3つの理由
①在庫を正確に把握するため
全ての在庫を正確に把握する事で食材の流れや傾向が分かります。
また、粗利の算出には正確な棚卸金額が必要です。
②食材の使用頻度を把握するため
販売したデータを元に在庫をカウントする事で食材の使用状況を把握できる。
③正確な粗利と原価把握するため
粗利は「売上-仕入れ」と思っている方もいますが、正確には棚卸した「棚卸額」が必要です。
棚卸の流れ
ここでは棚卸する流れと粗利の算出までを解説しますね。
棚卸表を使う
棚卸表(使用している食材名の横に在庫が記入できる表)を準備する。
上の表ならエクセルで簡単作れ管理も楽ですよ。
表の青い部分に在庫の数を記入します。
在庫をカウントする
棚卸表の商品すべて(食材以外はカウントしない)をカウントする。
もちろん事前に「棚卸表」を準備しておきましょう。
粗利と粗利率を求める
粗利とは一般的に「粗利額」、粗利率とは「売上にしめる粗利の割合」のことです。
算出方法は以下の通りです。上の表も参考にして下さい。
●粗利額=売上-(期首棚卸額+仕入)-期末棚卸額)
●粗利率(%)=(粗利額÷売上)×100
基準粗利について
棚卸で算出した「粗利」「粗利率」が良いのか?悪いのか?
判断は「基準粗利」と比較することで分かります。
ここでは基準粗利の算出方法と実績との差異について解説します。
基準粗利の求め方
基準粗利とはあるべき粗利のことです。
商品には各々「原価」「売価」が設定されており
1か月の総原価と総売上で算出できます(図を参照)
事前に「商品名」と「原価」を入力しておき
「販売数」を入力すると算出されるエクセルで作った表があると便利ですね。
上の表は自分で計算する際の表ですが
販売数・売上・客数等が一括で管理できる「POSレジ」等を
導入しているお店では①原価合計はPOSから出力できます。
基準との差異を把握する
棚卸は「基準粗利と実績の差異」を把握するために行います。
今回はー2.2%の結果(上記の表より)
金額に換算すると1カ月で 2,890,000円×2.2%=63,580円の利益損失。
1日に換算すると約2,100円の原価、売上にすると約3,100円が消えている状態。
さて63,580円はどこに消えたのでしょうか?
→考えられるのは「廃棄ロス」「棚卸カウントミス」「レシピの分量より多いオーバーポーション」
「現金仕入れが多い(欠品により通常より高い単価で食材を近所で購入)」
「研修での食材使用」などが考えられます。
※月間で63,580円、1日当たり約2,100円、これは原価です。
加工・調理して販売したら約193,000円の売上を生み出します(粗利67%想定)
年間にしたら・・・・・凄い金額ですよね??
この細かな計算と原因探しの積み上げ!!これこそが飲食店を管理する基本です!!
粗利を分解しパーツに分ける
下の図は私が「粗利」を構成している「パーツ」をマップにしたものです。
原因を探すパーツとして活用しましょう。
粗利を構成する3つの柱である「在庫管理」「棚卸」「ロス管理」に分けて解説します。
在庫管理をパーツに分ける
発注をパーツに分ける
発注には「販売実績に基づく発注」「定量(パーストック)発注」の2種類に
分かれますが、私は「販売実績に基づく発注」をおすすめします。
理由も含めて解説しますね。
①販売実績に基づく発注
これは食材生産性という指標を用いて発注する方法で簡単に言うと
「設定した金額でいくつ必要なのか」を理解し発注することです。
食材生産性=売上÷販売数
(例)200,000円の売上日にハンバーグを40個使った場合
食材生産性=200,000円÷40=5,000円
目安として5,000円の売上で1個使う、10,000円では2個となります。
このように食材別に5,000円や10,000円で「いくつ」「どのくらい」使用するのかを
把握した上で発注することが求められるのです。
「在庫」と「今後の納品数」から食材の増減を予測し発注数を算出します。
②定量発注(パーストック発注)
これは最も簡単な方法ですがデメリットもあるので注意しましょう。
食材別に在庫数を予め決め減った分だけ発注する方法です。
デメリットは「販売実績に基づく発注」に比べると在庫が多くなる傾向があるので
●食材のアイテム数が多い
●売上規模が小さい店舗
には向いていません。
在庫を必要以上に持つと以下のようなデメリットが発生しますので私はおすすめしません。
●必要以上に購入することになり資金繰りを圧迫する
●賞味期限切れによるロス
●必要以上に仕込んでしまう
●発注・棚卸に時間を要する
資金繰りを圧迫してしまっては取り組む意味がなくってしまいますよね。
棚卸をパーツに分ける
ここでは棚卸もパーツに分け正しく行われているかチェックしましょう。
棚卸の方法を間違えると誤った数値で判断する事になりますので注意しましょう。
棚卸は「期首棚卸」「期末棚卸」「仕入れ」の3つで構成されています。
先程、粗利の算出方法でも少し触れましたが復習します。
●期首棚卸:前回の棚卸の金額
●期末棚卸:今回の棚卸の金額
●仕入れ:期首~期末までの期間の
この3点については人がカウント、計算することが多いので人的なミスを防ぐことが重要です。
ロス管理をパーツに分ける
ロスの管理は上記のような「ロス管理表」で管理することをおすすめします。
「いつ、何を、いくら、何で」が一目でわかり、期間合計の金額も把握できますからね。
この表を棚卸した際の「基準より悪かった原因」の一つとして考えてみましょう。
ロスは仕方ない理由で出てしまうケースが多いので、従業員には「ロスを減らそう」ではなく
「ロスが出たら教えてください」と申告してもらうことが大切です。
ちなみに「ロスが0円」の店舗は「危険」です。
きっと粗利も悪いはずです。
理由は私の経験上ですが「ロスに関して関心が無い」つまり「食材に対するお金の意識が薄い」現れです。
自宅で冷蔵庫の食材を捨てる時って「もったいないな」と思いながら捨てますよね。
同じ意識を持ってもらうことが責任者の仕事です。
経営者のチェック事項
ここではチェックする項目5点をお伝えます。
【5点のチェック項目】
①オーダーミスの理由
②食材を廃棄した理由
③ロス管理表の記入チェック
④ポーション(量目)のチェック
⑤在庫チェック(多すぎたり、少なくて欠品したりしていないか)
従業員の方に伝える際には「ロスはダメ」「いけないこと」ではなく
「見つける」「報告する」ことが仕事と教育しましょう。
粗利が確保できない原因の調べ方
粗利を構成しているパーツの役割と意味はお分かり頂けたと思います。
あなたの仕事は出来ていないパーツを見つけることです。
出来ていないパーツ=原因
ここからは出来ていないパーツ見つけましょう。
見つけるポイントは厳しい目で評価することです。
妥協してしまうと売上は回復しません。
100点じゃなければ改善が必要です。
粗利が不振のパーツを見つける
まずは「粗利」を構成する大きな3つのパーツ「在庫管理」又は「棚卸」「ロス管理」
どこに問題があるのか厳しい目で見つけましょう。
在庫管理に問題のあるパーツを見つける
在庫管理の対策が必要なら「発注」「整理整頓」のグループから見つけましょう。
まず「発注」はできれば「販売実績に基づく発注」で行い
「ルール通りに行っているか」をチェックしてみましょう。
その次に「整理整頓」をチェックしましょう。
棚卸に問題のあるパーツを見つける
棚卸の対策が必要なら「棚卸額」「仕入れ」どちらに問題があるのでしょうか?
どちらも奥が深く一言で改善するのは難しいので
まずは月1回の棚卸を2回に変更してみましょう。
ロス管理に問題のあるパーツを見つける
ロス管理の対策が必要なら
①オーダーミスの理由
②食材を廃棄した理由
③ロス管理表の記入チェック
④ポーション(量目)のチェック
⑤在庫チェック(多すぎたり、少なくて欠品したりしていないか)
どのパーツに問題があるのか見つけましょう。
原因に対する対策の立て方
出来ていないパーツは見つかりましたでしょうか?
各パーツ毎に出来ているか判断し、出来ていなければ直す。
対策=出来ていないパーツの改善
対策する、つまり改善の行動を起こすのです。
パーツを見つけるまでは経営者のほとんどの方が出来ますよね。
対策を立てる時の3つのポイント
仮説を立て→実行して→検証する
ポイントは「仮説」「実行」「検証」を改善されるまで繰り返すことです。
仮説を立てる
仮説を立てる時に重要なのは2つの目標を立てる事です。
①行動目標:具体的に「いつ」「誰が」「どこで」「何を」を明確にして従業員を巻き込み取り組む。
②数値目標:改善行動による数値的効果を目標として設定する。
実行する
行動目標に沿って動けているか注視しながら進める。
行動がそれた場合はそのたびに軌道修正する。
検証する
仮説した「数値目標」が達成できたのか検証する。
立てた対策の実行方法
改善行動する時の3つのポイント
①あなた自らが行動する
先程も伝えましたが、あなたの「後ろ姿」がとっても重要です。
やっといてね!!では改善されません。
②従業員を巻き込んで一緒に改善していく
あなた一人で改善するのは難しいでしょう。
従業員の理解・協力が不可欠です。
③最後までやり抜く
たった1つのパーツでも改善できるまでは時間がかかる時もあります。
途中であきらめずに、とにかくやってみて検証する。
この繰り返しです。
実行した結果の検証方法
検証する時の3つのポイント
検証のポイントは3つ
①実行する「前」「後」でどのように数値が変わったのか?
②実行した内容は目標通りだったのか?
③目標の達成、未達の判断は「計画数値を達成できたか、できなかったか」
結果の受け止め方
仮説→実行→検証を終えて数値が目標を達成できたのか?出来なかったのか?
数値で判断しましょう。
頑張ったから、一生懸命やったから、過程ではなく結果で経営者は判断しましょう。
●検証し目標を達成できれば「成功」と判断し継続する
●達成できなければ再度「仮説」「実行」「検証」する
また、どんな偉大な経営者でも「苦難」「挫折」「失敗」を乗り越え「成功」を手にしているのです。
あなたも苦しい時は一人で悩まず相談できるパートナーを持ちましょう。
経営者は孤独ですのでパートナーは多ければ多いほどより飛躍できまよね。
私YUKIOが、そんなあなたのパートナーになれれば幸いです。
飲食店の経営に関して「お困り事」があればお気軽にお問合せから連絡頂ければと思います。
初回は無料のZOOM相談のスケジュールをも準備しています。
\ 過去の自分を未来に向かって変えよう/
そんなあなたのパートナーになれれば幸いです。
【経験談】実際に粗利を改善した方法を特別公開!!
ここでは私が実際に粗利の改善に取り組んだときの経験談からアドバイスしますね。
粗利が悪い3つの大きな原因と対策
私が実際に直面してきた「粗利が悪い時の3つの大きな原因」について解説します。
基本的にはこの3つをクリアーしていれば心配はいらないでしょう。
原因①:棚卸が正確にカウントされていない
本当に?と思われたでしょう。
しかし担当者がカウントし数値がおかしいな、と思い私がカウントしたら在庫が違っていた。
実は結構多くのお店で発生している問題ですよ。
原因は「忙しいから」「早く帰りたいから」「面倒くさいから」など「人」に関する問題がほとんどですね。
ポイント:カウントする従業員に「棚卸」が大切な業務であることを理解し正確に行ってもらうように仕向けること。
原因②:発注の精度が低い
精度の高い発注とは「常に在庫(棚卸額)が一定」なんです。
つまり食材別の「食材生産性」「売上予測」が頭の中で連動しています。
言い換えると制度の低い発注は「常に在庫金額にバラつきがある」「食材の欠品が多い」「発注に時間が掛かる」
このような特徴があるお店や発注担当者は「教育」が必要と考えましょう。
ポイント:きっと分からない事や教えてもらっていない事も多々あると思いますので「教育」すること。
原因③:食材に対する意識が低い
粗利の管理で「従業員の食材に対する意識」が一番大切です!
従業員1人1人が自宅で食材を扱うのと同じ意識なら「粗利」は必ず確保できます。
経営者として従業員に「いかに自宅の食材と同じように扱ってもらうか」が大きな課題です。
あなたがこの部分に自ら切り込んで「意識改革」に取り組んでください!!
例えば
●それ自宅でも捨てますか?
●余分な食材買いますか?
●家族の人数より多く準備(仕込み)しますか?
●少し傷んだ野菜、使える部分は使いませんか?
ポイント:ゴミ箱を見ればお店の食材管理レベルは分かります。粗利の確保は従業員の意識が最も大切です。
飲食業はマンパワー産業であり「人材育成(教育)」の成功は商売の成功である!!
まとめ
ここでは、飲食店の資金繰りで大切な要素である「売上」「粗利」「人件費」「その他経費」の
「粗利」について解説してきました。
今回の取り組みも従業員の「面倒くさい」から「やってみよう」に心が動いたから得られた結果です。
これこそがマンパワー産業である飲食店管理の核心です。
飲食店は「人・物・金」の管理と言われておりますが、私の考える比重は
「人:80% 物:10% 金:10%」
マンパワー産業では「人」の感情を動かし「行動」が変われが「物」「金」は後から必ずついてきます。
人が変わり「物」「金」が付いてきた時には「資金繰り」大きく変わっている事でしょう!!
この記事は資金繰りを楽にするシリーズの【その他経費編】ですが
同シリーズとして【売上編】【粗利編】【人件費編】の4つの記事で構成されています。
全て読むことで不振の原因が見つかり対策することで資金繰りが楽になる未来が待っていますね!
以下の記事では私が実際にファクタリングを利用した「体験談」をもとに、おすすめの5社をランキング形式で紹介しています。
\ 私が実際に利用した信頼できる会社/
ファクタリングの他、日本政策金融公庫・信用金庫・銀行などの金融機関で融資を受ける場合について3本に分けYouTubeでも詳しく解説しています。
以下の動画では「日本政策金融公庫」について紹介します。この記事と合わせて視聴して頂き理解を深めてくださいね。
日本政策金融公庫を利用するメリット3選・デメリット3選|申込から融資までの流れも解説
以下の記事では「資金繰りを楽にするシリーズ」として記事を「売上編」「粗利編」「人件費編」「その他経費編」の4つに分け資金繰りが楽になる秘訣を詳しく解説しています。この記事を含めて4つ全て読んで資金繰りを楽にしましょう。
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お金の教科書ブログに新しい記事をアップしました。
— YUKIO@飲食店コンサルティング (@YUKKIE1122) March 27, 2024
「資金繰りを楽にするシリーズ」
4記事に分けて売上・粗利・人件費・その他経費を解説する1記事目、残り3記事も随時アップします。https://t.co/7Dm4pG3NsH