忙しい飲食店で管理する「帳票」を本当に必要なものだけにしたいですよね。
私の経験から本当に必要な帳票を
5つに絞りその上、簡単に作れ
管理できる方法を解説します。
本当に必要な5つの帳票とは
①売上利益管理表
②仕入れ管理表
③棚卸管理表
④営業報告書
⑤損益分岐点
この5つは最低限必要で重要な帳票ですので「5つの記事」に分け解説します。
全ての記事を1セットとして読めば本当に必要な帳票の使い方、活用・管理方法が分かりますよ。
この記事では、いくらで黒字なるのか
いくら以下だと赤字になるのかの分かれ目である「損益分岐点」を
営業報告書と一緒に管理する方法を紹介しますね。
飲食店に関わって約30年、現場でたくさんの失敗や苦労、感動を肌で感じてきたYUKIOです。
あなたには私の失敗と苦労は避けてもらえるよう、成功や感動はぜひ知ってもらいたく発信しています。
この記事では
●損益分岐点とは
●損益分岐点をエクセルで算出する方法(無料ダウンロード可能)
●損益分岐点の活用方法
こんな内容を伝えます。
\ 私が実際に利用した信頼できる会社/
損益分岐点を管理するのは資金繰りを楽にするためですよね。
YouTubeでは「資金繰りを楽にするシリーズ」として「売上編」「粗利益編」「人件費編」「その他の経費編」と
4本に分けて詳しく解説しています。
【【経営者必見】資金繰りを楽にする「その他の経費」の改善方法4選
※当サイトの一部の記事にはプロモーションを含みますが、収益は更なる良い情報発信に活用させて頂きます。
損益分岐点とは
損益分岐点を理解・把握することは飲食店のみならず、会社経営の観点からもとても重要です。
是非この記事で理解度を深めて下さいね。
損益分岐点を理解する
お店は売上を生み出す一方で人件費や光熱費、地代家賃、その他の経費も発生します。
このように売上から経費を差し引いた額が企業にとっての利益となります。
グラフを見ると分かりますが損益分岐点とは売上と経費が相殺されるポイントを指します。
言い換えると、売上が中央の黒いポイントを超えると利益が生まれ
それ以下では損失(赤字)が生じるということです。
飲食店では、食材の仕入れ、人件費、光熱費などの変動費と
家賃などの固定費を考慮して損益分岐点を計算します。
売上と利益については「売上利益管理表」の記事でも詳しく解説しています。
損益分岐点の求め方
損益分岐点を算出するためには様々な経費項目が必要です。
損益分岐点の算出に必要な経費項目
私は普段から売上~利益が一目で分かる「営業報告書」を使用していますが
損益分岐点を求めるのに必要な経費項目は報告書に全て揃っており自動で算出されるのです。
従って分岐点の為の帳票はあえて準備せず営業報告書内で管理しています。
次のステップで画像と一緒に解説しますね。
もちろん、損益分岐点も一目で分かります!!
損益分岐点の算出方法
上の帳票が「営業報告書」で損益分岐点も自動で右上に計算されます。
では損益分岐点を実際に算出してみましょう。
損益分岐点を求める計算式は一般的な(以下の①)公式と
私の使っている簡易的な(以下の②)公式の2種類あります。
①損益分岐点=固定費÷(1-変動費÷売上高)
にて算出できますが、正確な数字を把握するには毎月20日頃にアウトプットされる
「損益計算書」と一緒に管理・使用されることが多い計算式です。
私は月末の段階で、おおよその売上から利益までを把握できる「営業報告書」を使い
報告書内に損益分岐点も組み込む事で全ての数値を早いタイミングで見ているのです。
報告書内で使っている簡易的な公式とは
②損益分岐点=仕入を除く全ての経費÷粗利率
この公式は①より若干精度は落ちますが営業報告書内で簡単に算出・管理できます。
私が②を使う理由は
「営業報告書」が月末に完成したタイミングで損益分岐点も把握できるからです。
目的は正確な損益分岐点を把握することではなく、精度は落ちても月末に「分岐点」をクリアー出来たのか
それとも出来ていないのかを「早く知り」「手を打つ(対策する)」ことなのです。
②の公式を営業報告書の数字に沿って求めてみますね。
損益分岐点売上=(⑪2,011,000)÷(69.1%)=2,910,000
仕入を除くすべての経費とは報告書では「⑪」のことです。
これで損益分岐点は求める事が出来ました。
次はエクセルでどのように管理・活用するのかを解説しますね。
損益分岐点をエクセルで簡単に求める
損益分岐点が、売上、固定費、変動費と深い関係がある事は分かって頂けたと思います。
損益分岐点を求めるには「固定費」「変動費」を準備すれば算出できます。
予め「固定費÷(1-変動費÷売上高)」の計算式をセルに入力しておくのが
一般的な公式①を使った求め方ですが私はこの計算式を、帳票やエクセルで管理していません。
なぜなら営業報告書と一緒に管理することで
売上~利益、損益分岐点を1つの帳票で管理できるからです。
下の記事で詳しく説明しますね。
損益分岐点を営業報告書と一緒にエクセルで管理するメリット3選
損益分岐点とは単独で見たり、考えるのではなく、売上から利益の状況を見ながら
どの項目に改善点があるのかを探す指標として見ることが重要です。
営業報告書は便利で重要な帳票ですのでメリットを3つ紹介します。
①売上から利益の状況が一目でわかる
②損益分岐点が分かる
③営業報告書がわかり対策を立てるまでの時間が大幅に削減される
つまり飲食店に必要な
●問題点の早期発見
●発見した問題点に対策を立てる
●立てた対策を実行する
●実行した対策を検証する
この行動をすぐに起こせるので便利です。
無料ダウンロード可能
こちらから「損益分岐点」が算出できる「営業報告書」のダウンロードが出来ます。
是非、営業報告書と一緒に損益分岐点を管理して下さいね。
損益分岐点の活用方法
ここからが一番大切です!!
なぜなら分岐点を算出することで「満足」してしまう方がとても多いですが
大切なのは損益分岐点の見方や使い方などを知って「分岐点を活用」する事です。
活用するためにも様々な角度から見る目を養いましょう。
損益分岐点を様々な角度から見る
分岐点を算出したら以下の3点を確認しましょう。
①あなたのお店の売上は分岐点をクリアー出来ていますか?
②分岐点売上を30で割って1日当たりの必要売上を算出しましょう
③算出した1日当たりの売上から客数を算出しましょう
では②③を実際に計算していきます。
先程の営業報告書に沿って計算しますと
損益分岐点売上=2,908,471円÷30日=63,615円
つまり1日当たりに必要な売上額は約63,600円となります。
このお店の客単価を1,300円とした場合
1日に必要な客数=63,600円÷1,300人=48.9人
1日当たり約49人の客数が必要なことが分かりますよね。
このお店の損益分岐点の指標(1日あたり)は
●売上:63,600円
●客数:49人
このように必ず1日当たりの分岐点売上、客数を算出しましょう。
なぜなら分岐点を知ってから数字を見ると
より経営者目線で発想できるようになるのです。
従業員にも損益分岐点を共有できると更によいお店が作れるでしょうね。
分岐点を改善計画・行為計画を立てる際の指標とする
大切な部分ですので分岐点を算出する目的をもう一度復習しましょう。
●達成している場合:更に売上を伸ばす努力に取り組みましょう
●未達成の場合:分岐点をクリアー出来なければお店の営業継続は難しいと認識しましょう
未達成の場合は、どのように対策したら良いと思いますか?
未達成でも営業を継続、利益を出したいのであれば私が常に伝えています
以下の4ステップに取り組んで下さい。
どの経費項目(売上や粗利、人件費など)に問題がありますか?
発見した問題点を改善するための対策(どうしたら良くなる?)を考えましょう。
対策を立てたら必ず「実行」しましょう。
立てたことで満足してしまう方が多いので注意しましょう。
実行したら結果を「検証」し厳しく判断しましょう。
頑張ったからといって甘い評価では将来のためにはなりません。
素直に反省し、改善できなければ別な対策を考え実行すればいいのです。
1回の対策で改善は出来ないと考えましょう。
私も何回も「失敗」して「リトライ」してはまた「失敗」の繰り返しでした。
その失敗の繰り返しが「お店」「あなた」を成長させてくれてるのですよ!!
損益分岐点を算出する事も営業報告書で売上や利益を見ることも
目的は1つ、上記の5ステップを繰り返す「材料」にすることです。
損益分岐点を下回った場合の危険性
私がなぜ分岐点を下回ったら「すぐ」行動しようと伝えているかを解説します。
(例)今日の売上53,000円:分岐点に約10,000円不足=約10,000の赤字と仮説します。
この10,000円の赤字を取り戻すために明日はいくらの売上が必要でしょうか?
損益分岐点の考え方から簡単に解説しますと
63,600円+10,000円=73,600円の売上が必要
つまり、今日の売上53,000円に対して約140%(1.4倍)もの売上が必要なのです
冷静に考えてくださいね。
現状の売上の推移に対して140%(1.4倍)の売上にすることがどれだけ大変な事でしょうか?
本来なら「業態変更」して取り組まない限り簡単に達成できる数字ではないのです。
つまり分岐点売上を下回ることは、たとえ1日であってもとても「危険」な事だと覚えておきましょう。
飲食店は毎日が戦いである!!
今日落とした売上は明日回収する!!
このフレーズはそんな思いから生まれた言葉です。
この部分を理解できていない経営者がとっても多く残念です。
理解できていない方やアドバイスを聞き入れずに
営業を続けた結果「閉店」「廃業」に追い込まれた経営者を何人も見てきました。
飲食業の廃業率が高いのは、このようなところにも大きな原因があり
あなたには回避して欲しいので伝えているのです。
参考に「中小企業庁の開業率と廃業率」についてのデータ見てくださいね。
まとめ
この記事では
●損益分岐点とは |
●損益分岐点と営業報告書の関係性 |
●損益分岐点のエクセルでの作り方 |
●損益分岐点の捉え方 |
●損益分岐点の活用方法 |
こんな内容を解説してきました。
最後に重要なのは損益分岐点を算出すること、見ること、ではありません。
算出された「数値」を元に「改善行為」につなげること!!
改善行為に取り組んで、はじめて算出した意味があるのです。
ここがとても大切なポイントですので忘れないで下さいね。
あなたがお店で従業員を巻き込んで「各種の改善行為」に取り組むことで「利益の改善」につながり
●従業員の生活が安定し豊かな生活が送れる |
●あなたの家族のやりたい事に、お金を気にせずやらせてあげられる |
●利益の安定はキャッシュフローの安定につながり、あなた自身に心の余裕ができる |
こんな未来の実現を目指して日々の利益を負いかけ行動しましょう。
きっと未来はもっと明るくなるはずです。
また、どんな偉大な経営者でも「苦難」「挫折」「失敗」を乗り越え「成功」を手にしているのです。
あなたも苦しい時は一人で悩まず相談できるパートナーを持ちましょう。
経営者は孤独ですのでパートナーは多ければ多いほどより飛躍できまよね。
私YUKIOが、そんなあなたのパートナーになれれば幸いです。
飲食店の経営に関して「お困り事」があればお気軽にお問合せから連絡頂ければと思います。
まずは初回無料のZOOM相談のスケジュールを調整しましょう。
\ 過去の自分を未来に向かって変えよう/
そんなあなたのパートナーになれれば幸いです。
この「帳票」に関する記事は全5種類で構成されています。
他の4つの記事にも目を通してコンプリートして店舗の帳票管理を楽にして下さいね。
https://yukio-insyokublog.com/contact/
YouTubeでも「飲食店のお金事情」について解説しています。
【最新】飲食店のファクタリングは常識|クレジット決済の「罠」
Ⅹでもお金に関する発信をしています。
資金繰りに追われるのは辛いですよね💦よく分かります!
— YUKIO@飲食店コンサルティング (@YUKKIE1122) April 13, 2024
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